「風邪は治ったのに咳だけが続く…」
「夜中や朝方にゼーゼーして苦しい…」
このような症状がある方は、**気管支喘息(ぜんそく)**の可能性があります。
喘息は、空気の通り道である気管支に慢性的な炎症が起こり、発作的に気道が狭くなる病気です。
子どもの病気というイメージがありますが、大人になってから発症する「成人喘息」も珍しくありません。
喘息では何が起きているの?
健康な気管支は十分な広さがあり、空気がスムーズに出入りできます。
しかし喘息では、
- 気管支に慢性的な炎症が起こる
- 気道の粘膜が腫れる
- 痰(たん)が増える
- 気管支の筋肉が過剰に収縮する
ことで空気の通り道が狭くなります。
その結果、
- ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴
- 咳
- 息苦しさ
- 胸の圧迫感
などの症状が現れます。
特に
- 夜間
- 明け方
- 季節の変わり目
- 運動後
- ハウスダストや花粉
- タバコの煙
- ウイルス感染
などをきっかけに悪化することがあります。
今の西洋医学的な治療
喘息治療で最も重要なのは、気道の炎症を抑えることです。
以前は発作時だけ治療することも多くありましたが、現在では症状が落ち着いていても炎症をコントロールすることが推奨されています。
① 吸入ステロイド薬(ICS)
現在の喘息治療の基本となる薬です。
吸入することで直接気管支の炎症を抑え、発作を予防します。
毎日継続して使用することが重要です。
② 長時間作用型気管支拡張薬(LABA)
吸入ステロイドと組み合わせて使用されることが多く、
狭くなった気管支を長時間広げる働きがあります。
③ 発作時の救急吸入薬(SABA)
急な発作が起きた時に使用する吸入薬です。
短時間で気管支を広げ、呼吸を楽にします。
ただし、頻繁に必要になる場合は喘息のコントロールが不十分なサインであり、治療の見直しが必要です。
④ 生物学的製剤
重症喘息では、
- IgE
- IL-5
- IL-4/13
など炎症に関わる物質を標的とした注射薬が使用されることもあります。
近年は重症喘息の治療成績が大きく向上しています。
鍼灸で喘息が楽になるメカニズム
鍼灸は喘息そのものを治す治療ではありません。
しかし、西洋医学的治療と併用することで、
- 咳
- 息苦しさ
- 胸の締め付け感
- ストレス
- 自律神経の乱れ
の改善をサポートできる可能性があります。
① 自律神経を整える
喘息では、自律神経のバランスが乱れることで気管支が収縮しやすくなることがあります。
鍼灸刺激によって自律神経の働きを整えることで、
過剰な気管支収縮が和らぐ可能性があると考えられています。
② 炎症を抑える可能性
近年の研究では、
鍼刺激によって
- IL-4
- IL-5
- IL-13
- TNF-α
など炎症性サイトカインを調整する作用や、迷走神経を介した**抗炎症反応(コリン作動性抗炎症経路)**が報告されています。
そのため、気道の炎症を間接的に抑える可能性が研究されています。
③ 呼吸筋の緊張を和らげる
喘息では、
- 首
- 肩
- 胸
- 背中
の筋肉を使って呼吸をするため、筋肉が過度に緊張しやすくなります。
鍼灸によってこれらの筋緊張を緩和することで、胸郭の動きが改善し、呼吸がしやすくなることがあります。
④ ストレスの軽減
精神的ストレスは喘息発作を誘発することがあります。
鍼灸はリラックス効果が期待され、
ストレスによる自律神経の乱れを整えることで、発作の引き金を減らせる可能性があります。
当院での考え方
当院では、喘息でお悩みの方に対し、
- 現在の症状
- 呼吸状態
- 姿勢や胸郭の動き
- 首・肩・背中の筋緊張
- 自律神経の状態
などを総合的に評価し、お一人おひとりに合わせた鍼灸施術を行っています。
鍼灸はあくまでも西洋医学的治療を補完するものであり、吸入薬や内服薬を自己判断で中止することは推奨されません。 医師と連携しながら治療を続けることが大切です。
豊川市・豊橋市・新城市で喘息にお悩みの方お気軽にご連絡ください。
参考文献(エビデンス)
- Global Initiative for Asthma (GINA). Global Strategy for Asthma Management and Prevention(最新版)
- 日本アレルギー学会. 喘息予防・管理ガイドライン(JGL)2024
- Vickers AJ, et al. Acupuncture for chronic pain: update of an individual patient data meta-analysis. J Pain. 2018.
- McDonald JL, et al. Acupuncture for chronic respiratory diseases: systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2020.


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